チワワ空港から、
バスで10時間。
メキシコシティから、
バスで30時間。
日本から、
まる3日かかる。
物質文明とは
縁の無い土地。

「タラウマラの村々にて」
ジャクスタ・ピクチャーズ/2001年/16ミリ/カラー/112分
アジア・アフリカで、農業や井戸掘りの技術移転の活動をしているNGO<風の学校>が、メキシコ山中、標高2300メートルの岩盤地帯に住むタラウマラ先住民族の村々での、井戸掘りを頼まれた。井戸掘りの専門家・石田恵慈さんが派遣され、わたしは同行して撮影を始めた。400年前と変わらない素朴な自給自足のタラウマラの人々の生活に、石田さんは故郷の青森の原風景をみる。
しかし、乾期の水不足は深刻で、水質汚染がひどいために、幼い子供が死ぬこともある。過酷な生活環境である。岩盤地帯での井戸掘りはさまざまな困難が伴った。どうしてここに住みつづけるのかと思いつつ、タラウマラの素朴な生活に惹かれていく石田さんの3年間の記録である。
国際協力の基本姿勢は、「助けることは、助けられることである」という「風の学校」の故中田正一さんの言葉どおり、異文化の中で、石田さんは変わっていった。

<推薦の言葉>

羽田澄子監督(記録映画作家)
「殺伐としたメキシコの荒地。井戸を掘る日本の男。言葉も通じない。アノアノといいながら、いつか土地の人と親しくなり、井戸を掘る。雨水を溜めるタンクをつくる。これは、NGOの働きなのだが、画面には何とも不思議な情景が展開する。これは、このNGOの働きを足かけ三年も、一人でカメラをもって追った女性監督の不思議な映画である」



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